2019年2月3日ソフトバンク上場はもろ刃の剣、証券決算で見えた光と影

・野村HDリテール部門の資金流入の85%がソフトバンク関連に

・ソフトバンクIPOに集中し、投信販売などの手数料収入が減少

大手証券各社の決算が1日までに出そろった。決算の結果から、過去最大の調達額となった昨年12月のソフトバンク新規株式上場(IPO)が市場に与えた影響が浮き彫りになった。

「相当な活性化になっている」。1月29日の決算会見で、ソフトバンクIPO主幹事の1社である大和証券グループ本社の小松幹太最高財務責任者(CFO)がこう説明した。IPO銘柄は個人投資家に人気が高く、同社のような伝統的な証券会社にとっては新たな顧客獲得の好機だ。小松CFOによると、同社にはIPOに伴って3000億円以上の新規資金が流れ込み、新たに1万件近い口座が開設された。

野村ホールディングスにも約1兆5000億円の資金が新たに流入し、約1万3000件の新規口座が開設された。みずほフィナンシャルグループの新規資金流入は約2300億円、新規口座開設は約4000件。例えば10-12月期に野村HDリテール部門に流入した資金の85%がソフトバンク関連となるなど、特需とも言える大量の個人マネーが動いた。

一方で負の側面もある。1月31日のソフトバンク株の終値は1343円で、昨年12月19日の上場以来、一度も公開価格の1500円を上回っていない。野村HDの北村巧財務統括責任者(CFO)は31日の決算会見で、足元のリテール事業は厳しい環境が続いているとの認識を示しつつ、理由の一つとして、顧客にソフトバンク株価低迷の背景を説明するなどの「フォローに時間が割かれている」とした。

また、大和証Gの10-12月期の募集・売出取扱手数料は前年同期比58%減の55億円、野村HDの委託・投信募集手数料は同28%減の727億円と、投信販売などの手数料収入が大幅に減少した。大和証Gの小松CFOは市場環境が悪かったことに加え「営業のかなりの時間をソフトバンクに費やしたことで、その他の商品に振り向ける時間が減った」と分析している。

SBIホールディングス傘下で、主幹事証券唯一のインターネット専業SBI証券では少し様相が異なる。SBIHDの森田俊平専務は31日の決算会見で、ソフトバンク株の販売先は「基本は既存顧客が中心。それで新規顧客を取ったという感じではない」と説明。顧客層が比較的若いということもあって「もともとソフトバンク株に興味がある顧客が多く、待機資金が流れた」と見ている。

ソフトバンクの上場による調達額は2兆3500円と過去最大で、おもな主幹事証券の当初引受額は野村HDが約6300億円、大和証Gが約4500億円、みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループが4000億円程度、SBI証券が1500億円超だった。各社はその大半を個人投資家に販売している。

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出所:Bloombergニュース

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(ランダムウォーク「N」)

 

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