2019年1月6日物色の二極化が徐々に強まる

鈴木一之です。日曜日になってしまいました。こうして2019年もあっという間に時が過ぎてゆくのでしょうね。

金曜日のNY株式市場はNYダウが+746ドルも上昇しました。上昇率では+3.29%もの値上がりを記録し、木曜日の「アップル・ショック」による▲660ドルの下落をすぐに取り戻しました。

パウエル議長が利上げ打ち止めに柔軟な姿勢のコメントを行ったことが急反発のきっかけとなっています。ダウ構成銘柄の中でプラス寄与の大きな銘柄は、景気動向に敏感な銘柄に集中しているようです。

ボーイングが+5.2%、キャタピラーが+5.5%、インテルが+6.1%、などの値動きが目立ちます。ほかにも、3Mが+4.1%、ダウデュポンが+4.2%、当のアップルが+4.3%、ビザが+4.3%、マイクロソフトが+4.6%、となっています。ディフェンシブ的な銘柄の値動きは小さいものにとどまりました。

米国市場もそうですが、パウエル議長の発言によってヨーロッパの株式市場も大きく上昇しました。そればかりでなく、下落の続いていた非鉄市況もわずか1日だけですが反発に転じており、ここから新年の動きが始まったかのようです。

「波高きは天底の兆し」と昔から相場格言では教えていますが、こうも波の高い日が続くと兆しも何もあったものではありません。毎日相場を追いかけることで神経がすり減ってしまいます。

金曜日の東京株式市場、アップルが1月2日に業績見通しを下方修正したこともあって、株式市場は大きく下落して始まりました。日経平均は一時▲700円以上下落して、終値でも2万円の大台割れ、▲452円とかなり悲観的なトーンに包まれています。

ただ、よく見ると値上がり銘柄の数は600銘柄近くに達しています。

個々の銘柄の値動きを見ると、下落を続ける銘柄と徐々に下げ止まりつつある銘柄に分かれます。

下落を続けている銘柄の代表格は、半導体関連株とロボット関連株です。どちらも2018年を通じて議論の集中した人気セクターで、この2業種はまだ売りが止まったとは言い切れない部分が多く残っています。

アップルの業績下方修正に続いて、国内外のテクノロジーセクターから同様の下方修正が今後出てくる可能性が高まっており、どうしても慎重にならざるを得ません。

かつてはインテルがそうでした。株式市場は四半期ごとに「インテル・ショック」に見舞われて、そうしてインテルは徐々に株式市場の信頼を失い、存在そのものが忘れられていきました。

残りのもうひとつ、徐々に下げ止まりに転じる銘柄は、これは多くの業種に及んでいます。三菱商事(8058)や伊藤忠(8001)、多くの小売セクター、物流関連株、医薬品などがそうです。

カレンダー上で年末年始を超えたという点も大きいと考えられます。今年は正月休みの期間が比較的長く、かつ貿易戦争に象徴されるように、世の中の動きが複雑になる一方なので、リスク回避のための現金化の売りが多かったと見られます。

その年末年始は、警戒していた通りにやはりそれなりに荒れ模様だったわけですが、心配された大規模テロ事件や自然災害の発生もなく、リスク回避はひとまずクリアしたという判断もどうにか成り立ちます。

そうなればあらためて売ってしまった分を買い戻す動きが始まっていると考えられます。少なくとも年末までの売り圧迫要因は解消していることになります。その辺が小売、物流、運輸、サービス、あるいはジャスダックやマザーズ銘柄に広がっている模様です。

このような流れは月曜日以降も、もう少し横に広がる可能性があります。エルテス3967、シルバーライフ9262、ベルトラ7048、農業総研3541、小型株の動きは要注意かと思います。

さて、年が改まって、日本はまだ本格的にビジネスが動き出しているわけではありません。週明けも業界団体主催の賀詞交歓会などが相次ぐことになり、事業活動が活発化するのはあと数日かかります。

それでもマーケットの議論は早くも「世界景気はピークを打ったのか、どうか」の論点に集中して活発な意見交換が始まっています。大雑把にまとめてみると、すでに世界景気はピークを打ったという意見が6~7割で、残りの3~4割がまだ世界景気はピークを打ってはいない、ということになるでしょうか。

私の意見としては、世界景気はピークを打ったかそうでないか、どころではなく、すでに景気後退は6合目に差しかかっている、というものです。今後、別の証拠が明らかになれば、すぐに意見を修正しますが、現状では景気後退は明確に始まっています。

判断がむずかしいのは、いまや景気は全方位的に悪くなるものではなくなっていて、一方では景気の悪い部分が色濃くありますが、他方では好調を維持している部分もしっかり残っているという状況が共存する点です。

インターネット全盛の世の中の構造変化がそうさせているのだと思います。すなわち、リアルの現実社会界と、(ネット内の)バーチャルな世界とでは景況感がまるで異なっているという状況が現出しています。

ネット内の世界は生活コストがほとんどかかりません。移動の必要もあまりなく、居ながらにして必要なものが手に入ります。インターネットと運送会社さえあれば、ごく普通に暮らしてゆけます。あまり出歩かないので古着の衣装と中古の家具で十分です。

あとは生活習慣病を避けるために適度な運動、身体によい健康な食生活、しっかりとした睡眠を確保できる枕とマットレス、リラックスタイム用のアロマオイルと浴槽。おカネをかけずとも幸せはいくらでも追求できます。

世の中は二極化の流れが強まっています。それに合わせて物色動向もふたつの流れが共存してゆくと見られます。2~3月まではこうした展開が続くことになるのでしょうか。

以上

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