2018年12月31日2018年も大晦日、「平成」の年末がカウントダウンを迎える

鈴木一之です。大晦日を迎えました。関東地方は風は冷たいですが、快晴です。このような天気は日本海、東北地方で大雪が降っている時によく現れます。

大掃除をしていたら前の年の大納会の新聞記事が出てきました。2017年の大納会、12月30日の日経新聞は、「熱狂なき世界株高」の見出しで日経平均が22,764円で引けたことを1面トップで伝えています。

世界の30か国で株価指数が最高値を更新し、世界中の時価総額の合計は9500兆円(84兆ドル)に達して、1年間で+15兆ドル(+21%)も増加したことをおおらかに報告しています。

世界が同時に好況を持続しており、そこに中央銀行の低金利が続き、市場の変動率も低いレベルで推移する、望む限り最高の投資環境であることをレポートしています。

年末年始の休暇が明けた2018年の大発会(1月4日)も、日経平均は+741円(+3.3%)も上昇して始まりました。大発会としては、1996年の+749円以来の上昇幅です。

年末休み中に明らかになった米国と中国の経済統計を好感しての大幅上昇です。新春の吉兆として2018年も好調な相場環境が続くものと市場関係者はおおいに喜んだのを昨日のことのように思い出します。

結果はご存知のように厳しいものに終わりました。2018年の日経平均は、1年前と比べて▲2700円も下落しました。株式市場ばかりでなく、商品も含めて世界中のほとんどすべてのアセット(資産)が下落しました。

東京市場に関しては、2月と12月の計2回にわたって、日経平均の1日の下落幅が▲1000円を超えるという急落局面が発生しました。年間で▲1000円を超える下げが複数にわたって発生するのは1990年以来、28年ぶりのことだそうです。

株価指数の下げをもたらしたのは、外国人投資家の売りスタンスです。外国人の売り越し金額は6兆円に迫り(12月第3週までで▲5.6兆円)、「ブラックマンデー」1987年以来、実に31年ぶりの高水準です。

景気の動きに密接に関連する商品市況の「日経42種」は、2年ぶりに前年比マイナスで終わりました(180.684、▲3.804)。米中貿易戦争の激化によって、非鉄や石油が大きく下げたことが響いています。

長期金利は低下を続け、日本でも10年国債金利は年末最後の取引で「マイナス0.01%」まで低下しました。マイナスに突入するのは2017年9月以来のことです。デフレ時代に逆戻りしたような状況です。世界経済の先行きに対する不透明感が強まっています。

本日も最近の新聞記事の中から気になる記事、コメントを抜き書きしておきます。いずれも後になって効いてくる意見のように思います。

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三井物産・安永竜夫社長「長期好況の終わり」
(2018年12月28日付、日本経済新聞)重要度:★★★★★

【現在の変化について】
・スーパーサイクル(長期の好況)が終わり、内向きの流れが押し寄せている。
・市場、政治、デジタル革命が絡み合い常に環境変化が起きている。
・変化は脅威でもあるがチャンスにもなる。楽観的に見ている。

【米中貿易紛争について】
・設備投資の抑制、景況感の悪化が起きているのは間違いない。長期戦になる。
・景気の減速を懸念している。
・その一方で貿易の流れの変化はチャンス。新しい仕事を生み出す機会になる。
・米国が最重要市場であることに変わりはない。
・中国の「一帯一路」は、日中の協力で受け入れやすくなる。

【消費増税について】
・景気への影響は避けられない。
・駆け込み需要と反動減が出る。
・だが消費増税はやらざるを得ない。

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ユーラシア・グループ、イアン・ブレマー氏
(2018年12月27日付、日本経済新聞)重要度:★★★☆☆

・米国の中間選挙で共和党は900万票という大量の得票差で過半数を失った。
・トランプ大統領は下院で敗北した。2020年の再選は日増しに厳しくなる。
・米国経済は勢いが衰え、大統領は有権者の支持を失っている。
・大統領選の行方は民主党の対抗候補にかかっている。

・米中衝突の行方に関しては、短期では楽観している。
・関税は拡大せず、貿易戦争は拡大しない。米中関係は正常化に向かっている。
・トランプ大統領は金融市場に打撃を与えたくない。

・しかし長期的には、おそらくハイテク冷戦に向かうだろう。
・今後数年で米中関係はさらに悪化する。トランプ再選ではますます難しくなる。

・2019年のグローバルリスクは、同盟関係に脅威が出ていることだ。
・米欧関係は第2次世界大戦後で最も脆弱。日本の外交力には限りがある。
・自由主義、民主主義は弱体化し、強力な専制主義と併存できるのか。

・世界経済には広範なテールリスクがある。
・サイバー攻撃が打撃となる可能性はかつてないほど高い。
・これだけ分断された世界の対応は非常に困難だ。
・2008年の金融危機は協調的で合意に基づいた対応だった。次はそうはならない。
・リーダーなき「Gゼロ」時代は2~3年では済まず、10年以上続くかもしれない。

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ダニエル・ヤーギン氏
(2018年12月29日付、日本経済新聞)重要度:★★★☆☆

・2019年の原油相場は1バレル=60~80ドル。
・サウジアラビアとロシアの連携がポイント。OPECではなく「ウィーンアライアンス」。・OPECではなく、米国、ロシア、サウジのビッグ3によって市場は動く。

・米国が世界最大の原油生産国として台頭してきたことが重要。
・米国の生産量は日量1160万バレル、2019年末には1300万バレルに達する可能性も。
・シェール革命は初期段階を過ぎて、中盤へ入った。
・2014年からの価格下落は、生産を効率化しデジタル化された産業へと変えた。

・サウジは1980年代の反省に立ち、単独では減産したくない。
・ロシアは市況回復で財政上の利益が見込める。両国の接近は石油を超えて広がる。

・米中貿易戦争は極めて危険だ。
・東アジアは米国のTPP脱退など多くが同時に起こり複雑な変化が生じている。

・原油需要は2030年代後半まで増え続け、その後は横ばいになる。
・再生可能エネルギーは技術革新やコスト低減が進み、一定割合を占める。
・エネルギー需要は増え続け、従来型エネルギーも競争力を保ち続ける。

・2050年には自動車の26%はEVになるが、自動車の総数も13→20億台まで増える。
・EVの普及台数とともに、従来車の燃費効率がどこまで改善するかが重要。
・化石燃料が大きな比率を占める、エネルギー全体の構図は変わらない。
・原発は新興国で伸びる。それを供給するのはロシアと中国だろう。

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ロッテ、設備投資、5年で1300億円、アイスやチョコ、インバウンド好調
(2018年12月29日付、日本経済新聞)重要度:★★★★★

ロッテは今後5年間で、設備投資に1300億円を投じる。浦和工場(チョコレート、アイス)、九州工場(同)、狭山工場(ガム、キャンディー)の生産能力を4割以上引き上げる。アイスは北米向けの輸出も本格化する。

背景にあるのはインバウンド需要、単価の上昇もあって、国内の菓子市場は2017年まで5年連続で拡大している。

お菓子は訪日客の間では化粧品や医薬品と並ぶ定番のおみやげで、訪日客の8割がお菓子を購入する。チョコレートは特に伸びが大きい。製菓業界では明治やカルビーも主力ブランドの増産投資を加速している。

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以上

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