2018年12月7日ファーウェイではない、問題は半導体である

鈴木一之です。様々な見方が交錯するのは仕方のない一日です。日経平均がザラバ中に▲600円以上も下がると、どれほど弱気に傾いても仕方のない日でもあります。

下げの理由がわかりやすい日はかえって気をつけなければなりません。本当にその理由かどうか、そうでないことも多いものです。

朝方から流れている「ファーウェイ創業家出身の副社長逮捕」の重大ニュースに反応した展開であることは間違いないのですが、本日の大幅下落の本当の要因は、それ以前にあるように思えてなりません。

前日のNYダウ▲800ドルの下落を受けて、昨日の日経平均の下げ幅が▲117円にとどまったことがあまりに出来過ぎというか、下げ足りなさが残りました。それが日をまたいで本日の下げにつながったのではないかと思います。あくまで「思う」というだけの個人的な感想です。

今週の月曜日、ブエノスアイレスにおける米中首脳会談で、貿易紛争に対する不安が少しでも和らいだ矢先に起こったのが、今回のファーウェイに対する厳しい措置です。米中間の問題にイランが関わりを示しました。すべては同じ土俵で起こっていることです。

このニュースが本日の寄り付きから市場心理を悪化させたのは間違いないところです。米国と中国が貿易問題から本物の紛争状態に陥りかねない状況は、まさに第1次世界大戦前後、「暗黒の木曜日」に至った1920年代の状況を彷彿とさせます。

もちろん直接的に体験したことはありませんが、書物等で得られる知識を総動員して得られる当時の様相と確かによく似ています。当時も米国の経済は絶好調でした。絶好調にもかかわらず保護主義を前面に打ち出していったのです。

ワシントンDCにおけるブッシュ(父)元大統領の国葬。ブッシュ(子)元大統領の涙のスピーチに心を揺さぶられない人はおりません。分断された米国において、元凶となっている歴代大統領が一堂に会し、一夜だけでもそのような分断は解消したかに見えました。

しかしその感動的な国葬が執り行われたちょうど地球の反対側で、どこまでエスカレートするかわからない警察権力の行使が行われました。事態は本当に抜き差しならないところまで突き進んでしまうのか、誰もがここから先の事態の進展スピードと奥行の深さを測りかねているところです。

相場上で言えば、エレクトロニクス業種の下落がやはり飛びぬけています。これまでは自動車でしたが、ここからは電機です。これもファーウェイ問題というよりも、半導体関連株の下落が続いていることがより深刻な問題です。

世界シェアトップのディスコ(6146)が急激な下げで年初来安値を更新しました。三菱電機(6503)が窓を空けて下放れたことも本日の下げの大きさを物語っています。ローム(6963)、昭和電工(4004)、TDK(6762)というカギを握る銘柄も著しく軟調です。

さらに専門商社の下げはそれ以上に要注意です。西華産業(8061)、佐藤商事(8065)、極東貿易(8093)。そこに丸紅(8002)と住友商(8053)が加わります。

その一方で、数は少ないのですが全面安の地合いだからこそ、下げてはいるがしっかりした足取りの銘柄も見つかります。スズケン(9987)、ライト工業(1926)、川田テクノロジーズ(3443)、オカダアイヨン(6294)、ダイフク(6383)、ミロク情報サービス(9928)。

この辺の銘柄が体現しているテーマ性を掘り下げてゆくべきでしょう。下げてはいますが強いものは強いという地合いです。

以上

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