2018年12月3日「90日休戦」で買われたものの、どこかしっくりとは来ない12月初日

鈴木一之です。12月になり、平成30年も残りあと1か月を切りました。今年の「紅白歌合戦」はどのような演出になるのでしょう。

12月初日の月曜日、株式市場は大きく上昇しました。これで日経平均は7連騰です。9月中旬から下旬にかけて8連騰を記録して以来のことです。

リーダー不在の日産自動車(7201)のように、10月の急落局面の下げ分を一気に取り返すような銘柄も目立ち始めています。もっとも、動いているのは日産自だけではなくトヨタもホンダも大きく上昇しました。

何よりもマツダ(7261)の回復ぶりが顕著です。まだ株価は底値圏から脱したとは言い切れませんが、FA権でジャイアンツに移るカープの丸佳彦選手のいない心の穴をマツダ株の上昇がきっちり埋めてくれるかもしれません。

米中首脳会談における90日間の休戦協定は、やはり大きなインパクトをもって受け止められました。週明けの東京株式市場は素直にこれを好感しました。

昨夜から早朝からかけて、ほぼ全世界のマスメディアがこのニュースをトップで報じており、東京市場がこれに反応しないわけがありません。

ただし全面高のわりに、中核として買い進まれる銘柄が見つかりにくいことも事実です。ここで米中はいったん休戦にもつれこむ、という予想は11月中旬ごろからぽつぽつと指摘され始めていたように思います。

本日の特徴とすれば、中国の景気鈍化に連動しやすい自動車、半導体、機械セクターが一斉に反発しているのが何よりも目立ちます。内需ではサービス、食品株も騰勢を強めています。

しかしそれらの業種を除くと、あとは大半の上昇銘柄、セクターが先週までの6日続伸の状況のまま、買われるものがそのまま買い進まれているだけと言えます。「90日間の貿易戦争の休戦」というビッグニュースが仮に飛び出してこなくても、先週までの地合いをそのまま引き継ぐことはむずかしくはなかったように思います。

全面高の地合いは特にとらえにくいものです。上昇の目立つ機械セクターでは、受注が底入れしつつあるハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)やSMC(6273)のような銘柄に反転の気運が高まっています。そのあたりも自然な流れのように感じます。

高望みしすぎていないのかもしれません。世界経済が不況に突入しかねないぎりぎりの瀬戸際から救われただけでも、ひとまずよしとしておくべきなのでしょう。

地球の自転が一回転して、欧米の金融市場がさらに強力なサプライズの上昇力に包まれて、それによって明日以降の東京市場にもあらためて力強い上昇の力が備わることを期待したいところです。

東京市場だけの判断では当の日本人が不安です。これまで何度か見られた光景です。

冷静になってみると、この先にも問題の数々はいくらでも残されており、来週の今ごろはEU離脱案の可否が英議会で採決されているはずです。仮にこの離脱案が否決されでもしたら、メイ首相の政治的な地盤は一気に不安定なものになります。

同じくフランスでも、「黄色ベスト暴動」が社会に衝撃を与えており、騒乱の震源地が中産階級にまで広がってきたことが心配されます。ドイツもまた政治的、経済的に不穏な空気が満ちています。

欧州全体を覆う騒然とした空気の底流には、今も増加の一途をたどる難民問題が大きく横たわっています。根本的な部分は2015年以降、何も変わっていません。

人類共通の難題として温暖化対策を議論する「COP24」が開催されましたが、石炭を重要産業と位置づけるポーランドがホスト国では、パリ協定の細目がすんなりまとまるとは非常に考えにくいものとなっています。

今こそ立ち止まって、少しゆっくり考えることが必要です。トーマス・フリードマンの「遅刻してくれて、ありがとう」を熟読することが真っ先に求められているはずですが、そんな悠長なことは言っていられないのが現代社会の悲しい部分と言えそうです。

救いはマザーズ、ジャスダックの小型成長株が元気なところです。ソフトバンクの上場も案外すんなりと消化されるかもしれません。日経ボラティリティ指数は20を割り現物株を買いやすくなりました。

以上

 

«
»