2018年12月2日米中貿易戦争、「休戦」に向かう

鈴木一之です。12月です。師走最初の日曜日、スズカズドットコムのセミナーで早朝から東京・新宿の街を訪れましたが、早い時間帯からけっこうな人の出でした。

さすがに年末でどことなくあわただしく、少しわくわくする雰囲気が広がってきました。

その日曜日の午後になって、米中首脳会談の詳報が続々と伝わってきました。どうやらトランプ大統領と習近平国家主席との間では、貿易戦争に関する休戦協定が結ばれた模様です。

11月のAPECに続いて、世界中が注目するブエノスアイレスでのG20は、やはり貿易問題に関する首脳宣言は出せないまま終幕を迎えました。最大の問題はその後の米中首脳会談でしたが、ここで大きな進展があったようです。

日本でも伝えられておりますが、米国は中国に対する2000億ドル分の追加関税に対して、年明け1月以降の25%関税の発動を90日間猶予することとなりました。

この猶予期間のうちに新たな合意を見い出せるか、実務レベルの協議が続くことになります。さらに報道ベースでは、関税の引き上げ猶予とともに、米国がすでに実行している第1弾、第2弾の500億ドル分の制裁関税も取り消す方向で今後の協議が進められることとなった模様です。

焦点となっているハイテク分野「中国製造2025」に関する協議は、今回の首脳会談では触れなかったようです。完全に和解というわけにはいきません。トップ同士がじかに会談を持ち交渉を進める様子は、国家というよりも完全にビジネスそのものです。

今回の交渉結果は事前に予想するのはむずかしかいはずですが、焦点は2つあったように思います。

ひとつは米国は中間選挙を終えて、トランプ政権は予想以上にダメージを受けているように見えること。もうひとつは米国の株式市場の下落です。

中国の指導者には時間はたっぷりとありますが、米国の指導者には残り2年しかありません。下院の過半数を民主党に占められた以上、今後の予算審議には苦労するはずです。そこに株価の下落が無視できない状況になっており、対中国で懐柔策を取らざるを得ない状況にあるのではないでしょうか。

この辺りのさじ加減は正直言ってまるでわからないのですが、休戦を求めていたのは中国以上に、米国も同様だったのではないでしょうか。

株式市場はひとまず景気敏感株を中心に広範囲に反発して(3日間で1000円高くらい?)、そこで再びしばしの膠着状態に陥るものと考えられます。ごく短期的に中小型株とシクリカル銘柄の物色が進むものと予想されます。

LME・ニッケル市況の反転が可能かどうか。信越化学(4063)や三井化学(4183)、DNC(4246)など化学セクターの足取り。タクマ(6013)、パンチ工業(6165)、ナブテスコ(6268)、クボタ(6326)、北越工業(6364)の機械株。

その後でじっくりと、パウエル議長が提示した米国の利き上げペースダウンの中身を吟味してゆくことになるのでしょうか。米国ではいまだ長期債利回りの低下に対して、低格付け債(ハイイールド債)の利回り上昇は収まっておりません。

着実にリスク要因が高まっていることは事実ですが、同時にそこでは材料株の出る余地が広がります。忘れられがちな地球温暖化関連株、キャッシュレス決済・無人レジ・ICタグ関連株、ロボット関連株への目配りが欠かせません。

新宿でのセミナーにご参加いただいた皆さま、本日はありがとうございました。とても楽しいひと時を過ごすことができました。年内はこれで打ち止めとなりますが、来年もまたよろしくお願いいたします。合言葉は「新宿でお会いしましょう」。

以上

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