2018年9月2日「トルコショックから半月が経過、日経平均が8連騰」

鈴木一之です。せっかくHPを立ち上げたのに更新頻度が少なくて申し訳ございません。なんとかもう少し頻繁に書き込むようにいたします。

先週は日経平均が今年初の8連騰を記録しました。

この現象を「なんだかよくわからないままに、日経平均だけが買われている」とか、「日銀による買い支えがあるから上がっている」ということで片付けてしまってはならないと思います。

確かに外部環境は複雑さを一段と増しています。

8月に世界を震撼させた「トルコ・ショック」。トルコリラの急落によるマーケットの動揺は完全には収まっておりません。トルコリラそのものの下落が継続しているし、先週は再びアルゼンチンのリスクに戻ってきました。

アルゼンチンは政策金利を45%から60%にまで引き上げらて通貨防衛に走っています。明日から始まる今週のマーケットで再び、アルゼンチンをはじめとする新興国通貨の動きが焦点となるのは明らかです。

アルゼンチン国民と政府、アルゼンチン経済は持ちこたえられるのでしょうか。

米中貿易戦争の行方ももちろん気がかりです。8月23日に米中双方が160億ドル分の制裁を発動して以来、新しい展開は比較的少なかったようですが、しかし先週末にトランプ大統領は2000億ドル分の追加制裁を9月早々にも発動するよう指示を出した模様です。

日本のマクロ経済統計もぱっとしません。7月の鉱工業生産は3か月連続で悪化しました。9月になればすぐに「景気ウォッチャー調査」が発表されます。
私はこの数字にいつも注意しています。街角景気の悪化は株価に直結します(株価が街角景気を左右しています)。

最近の内閣府の調査では、消費者心理に新聞紙面のニュースが大きく影響しているそうなので、「貿易戦争」や「通貨危機」の文言があふれた8月も街角景気の数値は悪化しているのはほぼ間違いないでしょう。

それなのに株価は8連騰です。何かが変化しているのでしょうか。私は(私も)、NY株式市場の動向が大きいと思います。とりわけテクノロジーセクターの動きです。

NYダウ工業株は30銘柄で構成されているので、その30銘柄の動きを個々に調べることは比較的容易にできます。

NYダウ工業株はまだ高値をとっていません。今年2月以来の高値水準にあります。ダウ構成銘柄のそれぞれが、今年2月と比べて現在がどの位置にあるのか、という観点で見てみればよいわけです。

そうすると、すでに2月高値を超えている銘柄(つまり新高値を更新している銘柄)は、アップル、マイクロソフト、ビザ、アメックスの4つです。

このほかに、一足先に2月高値を更新したもの、高値更新まであとわずかというものが、ユナイテッド・ヘルスケア、メルク、ファイザー、ディズニー、ベライゾン、ナイキ、です。

反対に、2月には活躍していたのに、今は2月高値にまったく届いていないものの代表がキャタピラーで、同じくスリーエム、ウォルマート、マクドナルド、シェブロン、トラベラーズ、インテル、です。

要するに完全復調に近い状態に見えるNY株式市場も、今年1月、2月の頃の活躍銘柄の中にもずいぶんと遅れが目立っており、テクノロジーセクターの強さが際立っているということになります。

ダウ構成銘柄ではない、アマゾン、グーグル、ネットフリックスや、その他にもあまり日本ではなじみのないクラウド、セキュリティ、半導体関連銘柄がいずれも急上昇を続けていて、それがNASDAQやS&P500をリードしているのです。

そうなると日本でも近々、テクノロジーセクターの物色が強まることが予想されます。日本ではソニー(6758)とTDK(6762)が中核となるのでしょうが、やはり日本のお家芸である電子部品株が中心になりそうです。

8月相場はきわめつけにむずかしかったように感じましたが、それでもようやく物色の方向性が徐々にはっきりしてきたように見えます。

どれほどむずかしかったか、など検証のしようがないのですが、一例を挙げれば8月は、月の前半にドル・インデックスが一本調子に上昇して、それが月の後半はまったく反対にドル・インデックスが一本調子に下落しました。

リスクオンとリスクオフがこれほどまで極端に入れ替わったことも珍しいのではないでしょうか。機関投資家も運用スタンスを月の半ばで180度転換させたのです。

米中が貿易面での争いを本格化させた今年3月以降、世界の景気動向が人質に取られてしまいました。景気というものを真ん中にはさんで、マーケットでは景気敏感株とディフェンシブ銘柄が日替わりで行ったり来たりを繰り返していました。

そのような株価の動きはこれまでに見たことがありません。

それほどまでにマーケットでの疑心暗鬼が強かった時期にあったわけですが、それもどうやらだんだんと現在の世界経済の構図というか、全体像が固まってきた模様です。

ジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講演に、ハト派的な見解が盛り込まれ、米国市場を中心に相場は大きく動きました。そこからS&P500とNASDAQが連日での最高値を更新するようになり、その勢いが日経平均にも乗り移ったように感じられます。

「相場はジャクソンホールから変化する」という経験値どおりの展開のようです。そこで9月を迎えます。

「秋は魔物が棲む」と言われる秋相場が始まります。8月にこじれるだけこじれたので、9月以降は少し展開が楽になるとよいのですが。

先週のセクター別騰落率の値上がり上位である「機械」、「電機・精密」、「素材・化学」が今後もマーケットを引っ張ってゆくことになりそうです。

以上

(どうすれば毎日更新ではなくても、HPの更新頻度を上げることができるか、どなたかよいお知恵があれば、ご教授くださいませ。私がもっと心を入れ替えて、勤勉に励めばよいだけなのですが、それをどのようにすればよいのか。自分でも情けなく、歯がゆい次第です。)

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