2018年8月6日【世界の価値観ががらりと変わりつつある、のでしょうか】

鈴木一之です。ずいぶんと間が空いてしまい、たいへん失礼いたしました。長いようであっという間のブランクでした。

基本に帰って、株価の動きをじっくりと見ておりました。この間の変化でここに書くべきことは主に3点だとようやくまとまりました。

(1)米国の景況感が急速に悪化しているように感じられます。フィラデルフィア連銀の計測するリアルタイムの景況感指数が8月に入って急低下しているようです。

(2)米国の唱える貿易紛争が中国に向けていよいよ抜き差しならないものになってきました。

EUのユンケル委員長とトランプ大統領との直接会談と同じように、最後の段階では丸くホコ先を収めるのだろう、という期待はこと中国に対しては当てはまらないような雲行きです。

中国と米国が本気で激突すれば世界経済へのマイナスの影響は不可避で、実際に今回の第1四半期の決算発表においても、将来の設備投資計画に二の足を踏む企業もいくつか出始めている模様です。

中国は自国の景気鈍化に対して景気テコ入れ策を取り始めたようですが、それだけで米国との間の貿易量の減少を埋め切ることはできない、ということでしょう。景気に対する下押し圧力が強まりそうな気配です。

(3)日本の株式市場において、目下のところ、明確に景気後退、ないしは景気鈍化を示すような明確なシクリカルセクターの下落は、非鉄セクターを除いてはさほど見られません。

鉄鋼、化学、機械株は浮上しつつある途上にあります。頭が重くなっている銘柄も見られますが、明確な下落トレンドに入っている銘柄はごくごく少数です。

ただし機械株の中でも、ナブテスコ(6268)の安値更新、あるいは荏原(6361)、パンチ工業(6165)、冨士ダイス(6167)の下値模索は非常に目につきます。底割れ状態に近づいている動きとも受け止められます。

むしろ現時点において、米中の貿易紛争が株価に直接影響を与えているセクターは自動車株です。トヨタ自動車(7203)、デンソー(6902)、ブリヂストン(5108)。日本が世界に誇るこの「自動車御三家」が現状の頭打ちから、続いて下値トライに入ってくるようだと影響は大きいように感じられます。

昨年までとは逆に「エレクトロニクス優位、自動車不利」の状態が築かれつつあるようですが、本来ならばここまで売られるとは考えにくい浜松ホトニクス(6965)、島津製作所(7701)、オムロン(6645)の下げなどを見ると、巨大なファンドが一斉に日本株に対して換金売りを急いでいるようにも見えます。

むしろこれまであまりマーケットで組み入れ対象となってこなかった、リコー(7752)、シャープ(6753)に逆行高で持ちこたえるエネルギーが残っています。ソフトウエアは全般にしっかりしているようですね。

米国が世界を敵に回して「自国第一主義」を貫くと、世の中の風景はこれほどまでに変わるのかという事実を、5月以降はずっと突きつけられてきました。結論はまだ何も出ていませんが、目に映る世界は本当にそれまでとは変わってしまったと言う事実を日々痛感させられます。

価値の源泉は、モノづくりではなくソフトウエアに移行してきたようでもあります。アルゴグラフィックス(7595)、TDCソフト(4687)、ソフトバンク・テクノロジー(4726)、カプコン(9697)、オプティム(3694)、カナミックネットワーク(3939)の動きが気になります。

以上

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