2018年7月22日【週前半はリスクオンに戻ったが、週末には再びリスクオフ】

鈴木一之です。セミの声が鳴り響く夏休みのスタートです。

日本も延長国会がどうにか閉幕し、政治の世界も夏休みに入りました。秋の自民党・総裁選がにわかに注目を集めています。

世界を見回せば、あいからずトランプ大統領の一挙手一投足に至るところ振り回されています。先々週は中国に対して2000億ドルもの追加関税の対象品目を公表しました。

ここから米中間の交渉が始まり、10月に妥結するころには対象品目も金額もそれなりに絞り込まれているだろうとの楽観的な見方から、週の前半は株価が反発し、そしてその後も続伸しました。

昨年12月に決定されたトランプ減税によって、海外に滞留しているドルが自国(米国)に還流しています。そのためにドル高が進行しており、円は週半ばには113円台まで円安に振れました。

これによって自動車セクターを中心に製造業がいくぶんか持ち直し、同時にそれまで一貫して売られていた化学、機械株を中心に景気敏感株にも久々に反転の動きが見られました。

折しもフィラデルフィア連銀の景況感指数も、この2週間はようやく上向きの動きを示すようになっており、6月から見られた米国景気のスタック状態も解消するのかという見方が出ています。

このまま景気敏感セクターにもリバウンドの動きが続くのか、と期待させられましたが、しかし今の世の中、それほど簡単には進みません。

週末にまたもやトランプ大統領が、現在のドル高に対して公然と不満を表明したことからマーケットに動揺が走っています。

大統領が出口政策を模索しているFRBの金融ポリシーを、公然と批判するのは極めて異例です。しかしトランプ大統領はそんな慣例にはおかまいなく、FRBの利上げ方針に明確に不満を示しました。

そんなことが許されるのかどうかは問題ではありません。ここから週末の株式市場は再び不安定な動きに逆行してしまい、景気敏感株は総じて反落。ディフェンシブ性の銘柄に流れが戻りました。

ただ、ここでも通常とは違う値動きが見られました。資生堂(4911)、花王(4452)、コーセー(4922)には戻りません。オリエンタルランド(4661)、ユニ・チャーム(8113)はしっかりしており、第一三共(4568)は高値を更新しました。

結局のところ、5月から6月の2か月間とまったく同じような流れが、まだこのまま続きそうです。景気敏感株(A)とディフェンシブ銘柄(B)の日替わり的な物色の入れ替わりです。

日々の動きで見れば、AとBが交互に買われたり売られたりしているのですが、少し距離を置いて長い目で振り返ってみれば、この間のAは一貫して下落トレンドを形成していて、反対にBは逆波動で上昇トレンドを形づくっています。

世界中のマーケットがそうであるように、ここでも経済の大きなトレンドが問われているわけです。ブリヂストン(5018)が月足で6本連続の陰線を引くような、明らかに世界景気は落ち込んでいると思わせるような動きが、7月以降もこのまま続くのかどうか。

大きなトレンドの反転が垣間見えたように感じられた先週一週間の動きだったのですが、トランプ大統領の一言でまた振り出しに戻ってしまったかのようです。
明日から始まる7月第4週は、同時に3月決算企業の第1四半期、および12月決算企業の第2四半期の決算発表が始まります。

夏休みが始まりましたが、マーケットはまだ当分は気の休まらない神経質な展開を余儀なくされそうです。

先週末、名古屋、岡山、熊本を訪れました。日本列島、暑さはどこも同じです。たいへんな猛暑を実感しました。

西日本豪雨の被害が最も大きかった岡山は、駅前にも緊迫感が満ちあふれていました。地元紙が総力を挙げて救出作業と復旧作業の模様を伝えており、紙面は観光地のキャンセル状況、災害ボランティアの受付の案内などで埋まっています。JR伯備線は一部不通のままです。

熊本城は立ち入り禁止の状態がもう2年以上続いており、天守閣は建設作業の足場で覆われていました。復旧にはあと2年くらいかかるそうですが、それが終わってから周囲の石垣など手つかずの設備の修復に着手するようです。

熊本の方々は昨年夏の九州北部豪雨の被害に遭われた方も多く、その方々が口をそろえて、地震もたいへんだけど水害の方がもっとたいへんだと、岡山、広島、愛媛の人々を案じておられました。

水が日本一おいしい熊本、農畜産物の豊富な岡山をはじめ、自然の恵み豊かな日本は、それだけ自然災害の危険とも紙一重で接していることをあらためて痛感いたしました。災害への備えはいくらあっても足りないことはないようです。

被害に遭われた地域の皆さまの一日も早い復興を心より願っております。

以上

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