2018年7月8日【米中貿易紛争が現実のものになったとたんに、買い気が勝る】

鈴木一之です。九州、中国地方の豪雨の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

ほんの1カ月前、6月最初の金曜~土曜日に「マーケット・アナライズ+」のセミナーで広島を訪れたばかりでした。

初夏の日差しに包まれた広島は緑が色濃く、駅前に流れる川の流れも緩やかで、とても気持ちのよい土地柄でした。

外国人観光客にあふれ、予備校に高校生が大勢通って、「世界で一番平和を祈念する街」として輝く新緑に包まれていました。

大きな自然災害が起こるたびに繰り返しお見舞いの言葉を述べることとささやかな義援金をお送りすることしかできないのですが、広島、岡山、中国・九州・関西地方の一日も早い復旧を願っております。

株式市場は先週の下落によって、ひとまず小さな転機を迎えたように感じられます。出来高を伴った株価の反発が、金曜日の東京市場で広がりました。

米中貿易戦争の発動をひかえた先週月~木曜日の4日間の日経平均・続落と、実際に制裁発動が実施された金曜日の反発。材料出尽くし、「知ったら仕舞い」、「陰極まりて陽に転じる」など、先人はさまざまに表現してきました。

そして金曜日のNY株式市場。雇用統計は良好で、雇用者数が増えて賃金は上がらず、再び「適温相場」が戻ってきたかのような展開となりつつあります。
その証拠に先陣を切って、NASDAQが再び高値をトライするように動き出しています。

ビットコインにも短期的に底入れ感が台頭しており、ビットコインとS&P500の不思議な連動性を当てにするならば、今週以降の株式市場はもう少し戻りを試すように進みそうです。

東京株式市場のポイントを雑感として記します。

(1)トヨタ(7203)、ソフトバンク(9984)、KDDI(9433)の底固さ。キーエンス(6861)の大幅反発。

(2)村田製作所(6981)、TDK(6762)の+5%上昇。日本ケミコン(6997)の高値更新。東京エレクトロン(8035)の急反発。

(3)三菱商事(8058)が真っ先に立ち直ってきたこと。双日(2768)の堅調ぶり。ヨレヨレだがコマツ(6301)も底入れ感が台頭。

(4)スタートトゥデイ(3092)、JINS(3046)、レノバ(9519)、LINE(3938)、株価のモメンタムの強い企業、下げ渋っていた企業がさっそく飛び出す。

(5)新日鉄住金(5401)、三井金(5706)、クレハ(4023)、鉄鋼や非鉄、化学など貿易戦争の渦中にあるものはまだ不安定。それでもひとまずは反発機運が出てくるのか。

(6)コーセー(4922)、資生堂(4911)、花王(4452)、ディフェンシブの流れは終わったのか。

トランプ大統領の進める政策は、あらゆる方向に敵を作りまるで矛盾だらけに見えますが、それは今の世の中が長年にわたる政治のツギハギで矛盾に凝り固まっているからでもあるのでしょう。「忘れられた白人層」からの支持率は安定的しています。

争点は米国だけではありません。欧州も、英国も、中国も、そして中東も同時に抱えています。特に欧州の分断は非常に気がかりです。

中国の自動車販売が落ち込むようだと、それは貿易面で密接につながっている欧州の景気鈍化に直結します。ひょっとしたら現在の株安は、貿易戦争よりもそちらの理由の方が勝っているのかもしれません。

「今週はいったん反発」とは述べましたが、シンガポールも上海も香港も、それにロンドンの銅市況も、まだ明確には反転の兆しが見えておりません。このあたりが今週以降、最も大きな焦点となります。

 

(ここからは日常的な雑感です)

この1週間、コメントを書こうとして何度もPCに向かいましたが、一言も書けませんでした。簡単な相場ではありませんが、だからと言って相場がむずかしいというだけでもないように感じます。作業の進め方のどこかに何かひっかかりがあるのだと思います。

その点を工夫して、また以前のように日々スムーズにコメントを書けるようにしてまいります。

今よりもずっと若い頃から折に触れて考えることに、「なぜ偉大な作家は最後は自殺をするのだろう」という問題があります。

作品が書けなくなったから、というのがとりあえずの答えだとしたら、書けなくなる状態というのはどういうことなのかを考えてしまいます。

ここ数日、コメントが書けなくなった時に、やはりこの問題について考えてしまいました。結論はまだ何も出ておりません。今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

以上

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