2018年7月3日【月替わりから大幅安、理由のわからない下げは特に注意を要する】

日経平均(月):21,811.93(▲492.58)

鈴木一之です。週明けはかなり大きな下落からスタートしました。悲願のベスト16突破を賭けた日本代表の戦いを、集中して落ち着いて応援することができなくなりそうです。

本日の株価の大幅安がなぜ起きたのか、何によってもたらされたのか、よくわからないことが多いです。そしてそういう時こそ、本当の注意を要します。

下げの理由を無理にこじつけて探す必要はないと、私は常々考えております。

過去に大幅安を記録した状況をあとから振り返ってみると、その時は下げ要因を明確に把握して説明していたつもりになっていても、ずっと後になってからあらためて振り返ってみて、まったくの的外れな説明で終始していた事例が無数にあります。

現時点では、本日の下げ要因として、

(1)上海株式市場が大きく下落し、中国人民元安が2015年夏のチャイナ・ショックを連想されたこと。

(2)メキシコの大統領選が日曜日に行われ、急進左派でポピュリストのAMLO候補が当選、トランプ大統領との国境紛争の激化が予想されること。

(3)けさ発表された日銀短観(6月調査)が2期連続で悪化しており、景気の現状は予想以上に悪化していることが認識された。

とされています。

どの理由もすっかり正しいようで、本当のところはどれが正解なのか、誰にもわかりません。わかっているのは今週もむずかしい株価の動きが予想される点だけです。

ただマーケットの動きに関してひとつだけ、誰の目にも明らかな展開があります。これまで堅調さを維持してきた内需系の中・小型グロース株がことごとく大幅安を記録している点です。

大型株では資生堂(4911)、オリエンタルランド(4661)、コーセー(4911)、JR東海(9022)、イオン(8267)が中心となって、いずれも大幅安を記録しています。

これまでの株価下落をリードしていた、自動車セクターは本日も軟調ですが、それでもまだ「日経平均▲492円」のインパクトほどには下げておりません。

トヨタ自動車(7203)もそうですが、銀行株もメガバンクはむしろしっかりしており、エレクトロニクスでもソニー(6758)、村田製作所(6981)、太陽誘電(6976)、TDK(6762)もむしろ堅調です。

下げている銘柄と下げていない銘柄が極端なまでに分かれていて、本日はそれまで「下げていた銘柄」が下げておらず、反対に以前は「下げていなかった銘柄」が強烈な売りにさらされています。

本日の下げの特徴的な銘柄としては、シスメックス(6869)、ヤマトHD(9064)、ニトリHD(9843)です。これらは思いっきり下落しており、内需系成長企業に好んで投資する大規模なファンドが、丸ごと1本解約された売り物が出ているかの様相です。

その象徴的な銘柄が、先週のハイデイ日高(7611)、今週のスギHD(7649)という、第1四半期の決算結果を受けた小売企業の株価急落でしょう。

「物流費の上昇」、「人件費の高騰」、「仕入材料費の値上げラッシュ」という3つのネガティブ要因が小売企業の決算発表を暗いものにしています。

日本の景気動向が下向きに変わってきたのではないか、という疑念がいつにも増してちらつきます。実際に今年2月に株価が急落したあたりから、私は景気動向は徐々に下向きになっているのではないかと思います。

それ以来、3か月にわたって景気敏感株とディフェンシブ銘柄が交互に物色されてきましたが、とうとう本日は、景気敏感株が上昇に転じないうちにディフェンシブ銘柄までが売られるようになってきました。

本日の大幅安の要因は、現時点でははっきりとはしません。しかしその理由を上海やメキシコに求めるのではなく、日本経済の足元に求めるべきではないかと今は考えております。

この点はもう少し時間をかけて分析が必要なので、引き続き追いかけてまいりたいと思います。

以上

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